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「足の衰えは万病のもと」とは人間が自分の足で歩けなくなると、さまざまな病気を引き起こすと言われている言葉です。 また、足が「第二の心臓」と呼ばれているのは、心臓から出た血液を足の筋肉のポンプ作用(ミルキングアクション)により、歩くという動作の中で、心臓から一 番遠い足先に流れた血液を心臓に戻すという働きを行っているからです。 このような話をすると、「足は大切でない」と言う人はいませんが、日常的に大切にしているという人が少ないのも現実のようです。 また、「寝たきりになる(自分の足で歩けなくなる)かもしれない」とは誰でも想像し難いことではないでしょうか。 |
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最近の子どもの足を診て「将来、自分の足で元気に歩いている人はどれ
だけいるだろうか」と心配する医師がいます。東京の慶応義塾大学病院には足の
外科外来という足専門の外来があります。そこで診療をされていた日本靴医学会
、理事長の井口傑先生は次のように続けています。「この100年で人間の寿命
は約2倍になったが、人間が長生き出来るようになった理由は、栄養がよくなっ
たこと、医療(保険制度を含む)が進歩したことであって、決して体が丈夫にな
ったからではありません」つまり、寿命は 一世紀で急速に伸びたが、足は寿命
と同じだけ使える構造にはなっていないというのです。
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将来にわたって、元気 に自分の足で歩くためには、自分の足元に目を向けて“足を大切にする”また、 足の保護ばかりでなく“足を発育・発達させる”ことこそが今、求められている のです。 ところが、「子どもの足が危ない」といっても大きな社会問題になっ ている訳でもなく、問題視している医師も少ないのではないかと感じる方もいる でしょう。その答えを考えたとき、今まで子どもの足に関するデータは、社会問 題にもならないほど国や大学等の専門機関にも極めて少ないという事が見過ごせ ません。 JESは日本学校保健会に協力し、約1万人の子どもの足の実態調査 を行いました。最新の調査結果の分析により、足の専門医が想像する10倍以上 も足のトラブルを抱える子どもがいることがわかりました。「子どもの足が危な い」とは、現在の子どもの足の実態に加えて、その認識の低さからも心配される ことなのです。 |
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【第2話】足の実態調査からわかる子どもの足(1) |